ガジェットコンパス

ガジェット探求の旅に終わりはない
🔍
BTO PCマウスコンピューター部品不足PC市場サプライチェーンメモリ不足SSD品薄年末商戦生成AI需要業界ニュース

2025年末PC市場が異常事態に突入!マウスコンピューター全ブランド受注停止の衝撃

👤 いわぶち 📅 2025-12-28 ⭐ 4.8点 ⏱️ 12m
2025年末PC市場が異常事態に突入!マウスコンピューター全ブランド受注停止の衝撃

ポッドキャスト

🎙️ 音声: ずんだもん / 春日部つむぎ(VOICEVOX)

📌 1分で分かる記事要約

  • マウスコンピューターの全PCブランド(mouse、NEXTGEAR、G-TUNE、DAIV、MousePro)が2025年12月23日~2026年1月4日に受注停止
  • ツクモなど他社も同時期に受注停止し、複数企業による異例の対応が相次いでいる
  • 原因は想定を上回る受注増と、生成AI需要によるメモリ・SSD品薄による部品枯渇
  • Crucialの一般向けメモリ・SSD撤退(2026年2月)が供給源断絶を招き、業界全体が深刻な状況に
  • 2026年1月以降の値上げ予定で駆け込み需要が加速し、サプライチェーン全体が崩壊寸前

📝 結論

2025年末のBTO PC市場は、単なる品薄ではなく業界全体のサプライチェーン崩壊という前代未聞の危機に直面しています。メーカー自らが全ブランドの受注を停止する事態は、部品不足の深刻さと、今後の価格上昇への懸念を象徴しており、PC購入を検討している消費者は早急な対応が必要な状況です。


受注停止の衝撃:複数メーカーが同時に白旗を上げた

マウスコンピューターの全ブランド受注停止

マウスコンピューターは、2025年12月23日から2026年1月4日にかけて、個人向けの全PCブランドの受注を一時停止することを発表しました。対象となるのは以下の4ブランドです:

  • mouse(汎用PC)
  • NEXTGEAR(ゲーミング向け)
  • G-TUNE(クリエイター向け)
  • DAIV(動画編集・3D制作向け)

さらに注目すべきは、法人向けの「MousePro」も例外なく停止対象となっている点です。法人向けの停止は2025年12月26日から2026年1月4日の予定で、個人向けより若干遅れて開始されています。

業界全体に広がる受注停止の波

マウスコンピューター単独の問題ではなく、ツクモなど他のBTOメーカーも同時期に全製品の受注停止に追い込まれているという点が、この事態の深刻さを物語っています。ツクモは12月19日から受注停止を開始し、再開時期が「未定」とされるなど、より厳しい状況にあります。

このレベルの受注停止が複数社で同時に発生するのは、年末商戦の歴史においても極めて異例です。


停止理由は単なるメモリ不足ではない

複合要因による逼迫

マウスコンピューター側の公式説明によれば、受注停止の理由は**「想定を大きく上回る受注により、工場の逼迫やパーツ不足、出荷遅延が発生している」**とされています。

重要なのは、これがメモリ単独の問題ではなく、複合的な部品枯渇と生産体制の逼迫であることです。具体的には:

  • メモリ(RAM)の品薄と価格高騰
  • SSD(ストレージ)の供給不足
  • その他マザーボードやPower Supply Unit(PSU)などの周辺部品の枯渇
  • 工場の生産キャパシティの限界
  • 納期遅延による品質管理への懸念

これらが複雑に絡み合い、メーカーが「受注を止めるしかない」という判断に至ったのです。

生成AI需要が火に油を注ぐ

PC市場全体で生成AI関連の需要が急増しており、これが部品争奪戦を加速させています。特に高性能メモリやSSDへの需要が急騰し、通常のPC用部品との取り合いが発生しているとされています。


供給源の断絶:Crucialの撤退が業界を揺るがす

一般向けメモリ・SSD撤退の衝撃

事態をさらに深刻化させているのが、メモリ・SSDメーカー大手のCrucial(Micron傘下)が、一般向けの販売を2026年2月までに段階的に撤退するという決定です。

Crucialは、特にBTOメーカーや自作PC市場で重要な供給源でした。その撤退により:

  • 供給源が急速に減少
  • サムスン、キオクシアなど限られたメーカーへの依存度が急上昇
  • 価格交渉力の喪失と価格高騰
  • 納期の長期化(1ヶ月以上の遅延も発生)

このドミノ倒し現象が、複数メーカーの同時受注停止につながっているのです。


なぜ今この時期に?異常事態の背景

例年の年末商戦とは異なる異常性

確かに、PC市場は年末年始が繁忙期です。しかし、メーカーが自ら全ブランドの受注を停止するレベルの逼迫は、過去に例がありません

その理由は以下の通りです:

  1. 駆け込み需要の加速

    • 2026年1月以降の値上げ予定が発表されており、「今買わなければ損」という心理が消費者側にも働いている
    • これが通常の年末需要をはるかに上回る受注につながった
  2. サプライチェーンの脆弱性

    • 生成AI需要による部品争奪戦
    • Crucialの撤退による供給源の一極集中化
    • 複数の負荷が同時に襲来
  3. 業界全体の連鎖反応

    • ツクモの停止がマウスの負荷を増加させ、マウスの停止が他社の負荷を増加させる
    • 負のスパイラルが発生

過去との比較

過去の年末商戦では、確かに「在庫が少なくなる」「納期が延びる」といった状況はありました。しかし、メーカーが「受注そのものを受け付けない」という判断に至ったことはほとんどありません

この判断は、バックオーダー(受注残)が爆増し、品質管理や納期保証が困難になる状況を避けるための「最後の手段」と言えます。


消費者への影響と対策

現在のPC購入状況

現在、マウスコンピューター公式の直販サイト経由では、個人向け・法人向けを問わず、全PC製品が新規購入できない状態になっています。

これは:

  • カスタマイズBTO PCが購入不可
  • 既製品モデルも購入不可
  • 法人向けの大量注文も受け付けない

という、極めて広範な停止です。

再開見込みと値上げの予定

公式発表では、2026年1月5日から順次受注再開予定と案内されています。ただし、これはあくまで「予定」であり、部品状況によっては遅れる可能性も考えられます。

さらに注目すべきは、1月以降の値上げ予定です。これにより:

  • 駆け込み需要がさらに加速する可能性
  • 再開後も品薄状態が続く可能性
  • 価格競争力の低下

といった悪循環が懸念されます。

消費者が今すべきこと

  1. 急いでいるなら他社の検討を

    • 在庫がある他社メーカー(ドスパラなど)の利用を検討
    • ただし、業界全体が逼迫しているため、どこも完全な在庫があるわけではない
  2. 購入を遅延できるなら待つ

    • 1月中旬以降の再開を待つ
    • ただし値上げ後の購入になる可能性
  3. 法人の場合は早急な代替案検討

    • 受注停止期間が長いため、他社への乗り換えも視野に入れる

業界全体の課題と今後の展望

サプライチェーンの脆弱性が露呈

今回の事態は、PC産業全体のサプライチェーンが、想定外の需要変動に対応できないほど脆弱であることを明らかにしました。

特に:

  • 部品メーカーの寡占化(サムスン、キオクシアへの依存)
  • 在庫管理の最適化による余裕の欠如
  • 地政学的リスクへの対応不足

といった構造的な問題が、今回の危機を招いたと考えられます。

業界再編の可能性

この危機を受けて、BTOメーカー間での経営統合や提携が加速する可能性もあります。また、部品メーカー側も、一般向け市場への関与を再検討する必要に迫られるでしょう。

消費者への長期的な影響

短期的には:

  • PC価格の上昇
  • 納期の長期化
  • 選択肢の減少

といった悪影響が予想されます。

中期的には、業界が安定供給体制を整備するまで、価格と納期の不安定性が続く可能性が高いです。


まとめ:異常事態への対応が急務

2025年末のBTO PC市場における受注停止は、単なる「品薄」ではなく、業界全体のサプライチェーン崩壊という構造的な危機を示しています。

マウスコンピューターやツクモといった大手メーカーが全ブランドの受注を停止するという異例の対応は、部品枯渇の深刻さと、今後の市場環境の不安定性を象徴しています。

消費者、企業の双方にとって、今は「いかに対応するか」という判断が重要な時期です。購入を急いでいる場合は他社の利用を検討し、時間的余裕がある場合は市場の安定化を待つなど、状況に応じた柔軟な対応が必要とされています。

🗂️ 人気カテゴリ

記事数の多いカテゴリから探す