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Appleシリコン(M1)がなぜ速いのか?初心者向け図解で性能の秘密を完全解説【M1 MacBook Air実機比較】

👤 いわぶち 📅 2025-12-09 ⭐ 4.8点 ⏱️ 18m

📌 1分で分かる記事要約

  • M1チップは「CPU・GPU・Neural Engine を1つにまとめた SoC 構造」で、バラバラなIntel Macより電力効率が圧倒的に高い
  • 同価格帯のWindows機と比べて、処理速度は同等~上回り、バッテリー駆動は1.5~2倍長く持つ実測値が多い
  • Web開発・ブラウジング・軽い動画編集ならM1で十分だが、4K編集・AI処理重視ならM2/M3/M4世代の検討も価値あり
  • Windows からの乗り換え時は、キーボード配列・ソフト互換性・ファイルフォーマットの3点が主な課題だが、事前準備で大半は解決可能
  • 2025年時点でもM1 MacBook Airは「コスパ最強の入門Macであり、中古なら7万円前後で手に入る現役機

📝 結論

Appleシリコン(M1)がすごい理由は、ハードウェア・ソフトウェア・AIを一体設計し、チップ内のすべての部品が効率的に動作する「SoC構造」にあるということです。初代M1は2020年登場で5年が経ちましたが、日常的なPC作業ならまだまだ現役。ただし、用途によって「M1で十分」と「新世代が必要」が分かれるので、自分の使い方に合わせた選択が大切です。


Appleシリコン登場で、Macは何が変わったのか?

2020年11月、Appleは初のAppleシリコン「M1」をMacに搭載しました。それまでMacはIntel製のプロセッサを使っていたのですが、M1登場で一気に状況が変わります。

Intel時代のMacの課題

Intel Macの時代、MacBook Airなどのノートパソコンは以下の問題を抱えていました:

  • バッテリー持ちが短い:高負荷作業で2~3時間が限界という機種も多かった
  • 発熱が大きい:キーボード周辺が熱くなり、膝の上での作業が不快
  • ファンが煩い:特に動画編集やコンパイル時に爆音になることもしばしば
  • 価格が高い割に性能が見劣り:同価格のWindows機と比べて「買う理由が薄い」状況が続いていた

M1登場で一変

M1搭載MacBook Airが発表されると、レビュアーから一斉に「革命的だ」という評価が上がります。その理由は:

  • バッテリー駆動が15~18時間に伸びた:丸一日、充電器なしで作業できる
  • ファンレス設計でも高速:静音性が劇的に向上
  • 発熱が少ない:膝の上でも安心して使える温度に
  • 価格据え置きで性能が2~3倍:Intel機との比較にならないほどの高速化

このM1の成功で、Appleは**「自社チップ=最強」という新しい時代を切り開いた**わけです。


M1チップの中身:CPU・GPU・Neural Engine の役割を図解で理解する

「Appleシリコンがすごい」という話をよく聞きますが、何がどうすごいのかを初心者向けに説明しましょう。

M1チップの構成:3つの「頭脳」が1つに

M1チップの内部には、大きく分けて3つの重要なパーツが入っています:

┌─────────────────────────────────────────┐
│          M1 チップ(SoC構造)            │
├─────────────────────────────────────────┤
│  CPU(8コア)         GPU(8コア)       │
│  ├─ 高性能4コア      └─ グラフィック   │
│  └─ 高効率4コア         処理専門        │
│                                          │
│  Neural Engine       メモリコントローラ  │
│  └─ AI処理専門      └─ データ管理      │
│                                          │
│  ★ 全部が同じメモリを共有(統合メモリ)  │
└─────────────────────────────────────────┘

① CPU:「正社員とパート」で効率的に仕事をこなす

M1のCPUは8コア構成です。ただし、全部が同じではありません:

  • 高性能コア(4個):重い仕事用

    • 動画編集、画像処理、プログラムのコンパイルなど、パワーが必要な作業を担当
    • 「正社員」のイメージ。給料は高いが、重要な仕事をこなす
  • 高効率コア(4個):軽い仕事用

    • ブラウジング、メール、テキスト入力など、軽い作業を担当
    • 「パートさん」のイメージ。給料は安いが、日々の雑務をこなす

何がすごいのか?

Macが何をしているかを自動判断して、重い作業なら高性能コアを、軽い作業なら高効率コアを使い分けます。その結果:

  • 高速(必要な時は全力を出す)
  • 省電力(不要な時は低消費電力で済ます)

という「両立が難しいことを両立させている**のです。

② GPU:「マンガ家とアシスタント」で映像処理を高速化

GPUはグラフィック処理専門の部隊です。M1には最大8コアのGPUが入っています。

CPUが「ストーリー(論理)」を考えるのに対し、GPUは「絵(映像)」を描く仕事をします:

  • 画面表示(毎秒60フレームで画像を描き替える)
  • ゲーム(3D画像をリアルタイムで計算)
  • 動画編集(4K素材を再生・処理)
  • 画像処理(写真のフィルター適用など)

何がすごいのか?

同じ価格帯のWindows機に入っている内蔵GPU(Intel Iris Xeなど)と比べると、M1のGPUは3~5割ほど処理が速いというベンチマーク結果が多いです。つまり:

  • 動画編集が予想より快適
  • 軽い3Dゲームもサクサク動く
  • 外付けグラフィックボード不要

という利点があります。

③ Neural Engine:「AI検品ロボ」で機械学習を高速化

Neural Engine(ニューラルエンジン)は、AI・機械学習専用のプロセッサです。M1に16コア入っています。

このパーツの役割:

  • 写真の自動補正(顔認識、明るさ調整など)
  • 音声認識(Siriの音声入力)
  • ライブテキスト(写真から文字を認識して、コピペできる機能)
  • 機械学習モデルの実行

何がすごいのか?

AI処理をCPUやGPUに任せると、消費電力が大きく、バッテリーがすぐ減ります。でも、AI専用チップがあれば、少ない電力で高速に処理できるのです。

2024年以降、Appleが「Apple Intelligence」というOS組み込みのAI機能を推進しているのも、このNeural Engineの存在が前提になっています。


Intel Macとの根本的な違い:「SoC構造」が全てを変えた

M1とIntel Macの最大の違いを一言で表現するなら:

Intel Mac = 別々の建物にある役所・倉庫・工場
M1 Mac = 1つのショッピングモールに全部入っている

Intel時代の構造(バラバラ)

Intel Macの場合、以下のパーツがマザーボード上に分散していました:

┌──────────────────────────────────────┐
│     Intel Mac のマザーボード          │
├──────────────────────────────────────┤
│                                       │
│  [CPU]          [GPU]      [RAM]     │
│  (Intel)     (Intel/AMD)  (別基板)   │
│                                       │
│   ↓              ↓          ↓         │
│  ← データ移動が長い、時間がかかる →  │
│                                       │
└──────────────────────────────────────┘

問題点:

  • CPU と GPU が別チップなので、処理を引き継ぐたびにデータをコピーしなければならない
  • データコピーに時間がかかり、消費電力も大きくなる
  • 全体の処理速度が落ちる

M1の構造(統合)

M1の場合、CPU・GPU・Neural Engine・メモリコントローラが1つのチップに統合されています:

┌─────────────────────────────────────┐
│      M1 チップ(統合構造)           │
├─────────────────────────────────────┤
│                                      │
│  ┌─ CPU ┐                           │
│  ├─ GPU ┤ ← 全部が同じメモリを見る │
│  ├─ AI  ┤   (統合メモリ構造)       │
│  └─ 他  ┘                           │
│                                      │
│  データ移動距離が短い、高速        │
│                                      │
└─────────────────────────────────────┘

メリット:

  • CPU・GPU・Neural Engine が同じメモリを共有できる
  • データをコピーする手間がゼロ
  • 処理が高速になり、消費電力も少なくなる

この「統合メモリアーキテクチャ」こそが、M1が省電力なのに高速である理由の核です。


実測データで見る:M1 MacBook Air vs Windows同等機

理屈だけでなく、実際のベンチマーク数値で比較してみましょう。

① CPU性能:Geekbench比較

Geekbench は、アプリ全体の処理速度を測るベンチマークです。

指標M1 MacBook AirIntel Core i5-1135G7倍率
Geekbench 5 シングル1,7001,300M1が1.3倍
Geekbench 5 マルチ7,5005,000M1が1.5倍
Geekbench 6 シングル2,6002,100M1が1.2倍
Geekbench 6 マルチ9,7007,000M1が1.4倍

何を意味するか?

  • M1は同価格帯のCore i5より、CPU性能で1.2~1.5倍高速
  • 複数の作業を同時にこなす(マルチコア)では、差がさらに広がる
  • つまり、「同じ値段なら、M1の方が速い」という結論

② GPU性能:グラフィック処理速度

GPU性能は、Geekbench Metalで測定します:

機種スコア用途
M1 MacBook Air(8コアGPU)18,000~22,000ライト~中程度の動画編集、3Dゲーム
Intel Iris Xe(96EU)12,000~16,000ブラウジング、軽い画像編集
M1が3~5割上M1で快適な作業が増える

何を意味するか?

  • 動画編集やゲームでは、M1の方が「サクサク」感が違う
  • 外付けGPUなしで、ライトな4K編集も可能なレベル

③ 実際の動画編集速度:4K書き出し時間比較

理論値より、実作業での速度の方が分かりやすいです:

作業内容M1 MacBook Air(Final Cut Pro)Windows機(Premiere Pro)
5分の4K動画書き出し5~6分8~10分M1が1.5~2倍速い
本体温度温かい程度熱いM1が優位
ファン音ほぼ無音うるさいM1が優位

何を意味するか?

  • 同じ4K編集でも、M1の方が時間が短い
  • しかも静かで涼しいというボーナス付き
  • つまり、「作業効率も、快適さも、M1が勝っている」

④ バッテリー駆動時間:実測値

バッテリー持ちは、Appleシリコンの最大の強みです:

作業内容M1 MacBook AirWindows Core i5機
ブラウジング中心15~18時間8~10時間M1が1.7~2倍
Web開発(VS Code等)8~10時間3~4時間M1が2~2.5倍
4K動画書き出し3~5時間1~2時間M1が2~3倍

実体験ベース(レビューより)

  • 「中古のM1 Air(バッテリー容量85%)でWeb開発をしていても、丸一日余裕で持つ」[8]
  • 「以前のWindowsノートは高負荷で2~3時間で力尽きてたのに、M1では同じ作業で8~10時間持つ」[8]
  • 「Chromeでタブ20枚開いて調べ物をしても、約16時間動き続けた」[2]

何を意味するか?

M1 MacBook Airは、文字通り「丸一日、充電器なしで作業できるノートパソコン」です。これはWindowsノートでは実現困難な水準です。


M1 → M2 → M3 → M4:チップ進化の流れ

「M1って古くない?」という疑問を持つ人もいるでしょう。ここで、Appleシリコンの進化を整理しておきます。

世代別の進化

世代登場年特徴対象用途
M12020初代。省電力と静音が革命的ライト~中程度ユーザー、学生、ブロガー
M22022CPU1.1~1.2倍、GPU1.3~1.4倍高速化。新デザインM1より少し速さを求める人
M32023GPU強化(レイトレーシング対応)。M2比で2割高速化4K動画編集、3Dゲーム本格派
M42024~AI処理強化。マルチコア性能が大幅向上AI・機械学習、複雑なシミュレーション

「それでもM1が推せる」理由

後継世代が出ても、M1が今でも評価される理由は:

  1. ライト~中程度の用途では性能が余っている

    • ブログ執筆、ブラウジング、Zoom、軽い写真編集なら、M1で十分すぎるほど
    • 体感速度は、M2/M3との差がほぼ分からないレベル
  2. 価格が圧倒的に安い

    • 新品:約12~15万円
    • 中古:約7万円前後で手に入る
    • M2/M3と比べて「体感差の小ささ割に、値段差が大きい」
  3. バッテリー持ちと静音性は今でもトップクラス

    • M2/M3/M4も同じ路線だが、M1の時点で既に「ファンレス・18時間駆動」という完成度
  4. ソフトウェアサポートはまだまだ現役

    • 2020年登場でも、macOS Sonoma(2023)以降も対応
    • 今後数年はメインストリームで使える見込み

M1 MacBook Air の実機体験:電池持ちと発熱の実測

理屈より、実際に使った人の声が一番参考になります。

Web開発・軽い開発作業での実績

体験談①(開発者のレビュー)[8]

「中古のM1 MacBook Air(メモリ16GB、512GB)を購入して、Web開発(React / Laravel)を毎日やってます。Chromeでタブ10~20枚開いて、ターミナルで作業していても、バッテリーは8~10時間は余裕で持つ。以前使ってたWindowsノートは高負荷で2~3時間が限界だったので、『丸一日コード書いてもまだ残ってる?』ってレベルですね。」

体験談②(バッテリー実測テスト)[1]

「新品に近い状態のM1 Airを、Webブラウジング・メール・ドキュメント編集で丸一日テストしたところ、バッテリー残量85%の個体でも10時間前後使えました。新品なら15~18時間という記述も多いので、ほぼ正確な数字だと思います。」

発熱について

「軽~中程度の作業(Web開発、ブラウジング)では、本体がほんのり温かい程度で、膝の上に置いても不快になりにくい。ファンが回る気配すらない、という報告が大多数です。」

ブラウザ中心作業(執筆・調べ物)での実績

体験談③(Chrome連続使用テスト)[2]

「M1 MacBook Airでバッテリーテストをしました。Chromeでタブ20枚前後開いて、ブログ執筆・調べ物・YouTube視聴などをしていたところ、約16時間も動き続けました。同じテストを以前のWindowsノートでやると3~4時間で力尽きたので、バッテリー持ちは凄まじい差があります。」

動画編集時の発熱とバッテリー

「4K編集や長時間の書き出しでは、本体が『しっかり温かい~熱い』と感じるレベルになることもありますが、Intel時代の『キーボードまでアチアチ』という感じではなく、『熱いけど触れないほどじゃない』くらいに収まっています。バッテリー駆動は、フルHD中心なら5~7時間、4K素材ゴリゴリなら3~5時間というイメージです。」


初心者向け比較表:M1 MacBook Air vs 同価格帯Windows機

「結局、どっちを買えばいいの?」という人のための、シンプルな比較表です。

項目M1 MacBook Air同価格帯Windows機(Core i5)
価格帯約12~15万円(新品)、7万円前後(中古)同等
CPU性能Geekbench マルチで1.4倍速い標準的
GPU性能内蔵で十分、外付けGPU不要軽い編集向け
バッテリー駆動15~18時間8~10時間
発熱少ない(ファンレス可能)多い(ファン必須)
静音性非常に静かファン音あり
重さ1.24kg1.2~1.3kg
起動速度数秒10~15秒
軽い動画編集サクサクやや遅延あり
日常使用(ブラウジング等)非常に快適快適
Office互換性Microsoft 365で対応可標準対応
Windows専用ソフト使えない(代替アプリ必要)標準対応

結論:

  • ライト~中程度ユーザー:M1 MacBook Air が圧倒的に有利
  • Windows専用ソフトが必須:Windows機を選ぶべき
  • 4K動画編集・3Dゲーム本格派:M3/M4世代も検討する価値あり

M1チップの構造を図解で理解する:3つの比喩

難しい技術用語を避けて、日常的な例えで説明します。

比喩① 「正社員とパートのオフィス」

M1のCPU構成(高性能コア4 + 高効率コア4)を説明するなら:

┌─ 営業所 ─────────────────┐
│                           │
│  [正社員 4名]            │
│  ├─ 重い案件を全力で処理  │
│  └─ 給料は高い            │
│                           │
│  [パート 4名]            │
│  ├─ 日々の雑務を効率的に │
│  └─ 給料は安い            │
│                           │
│ 仕事内容で自動振り分け   │
│ → 会社全体が高速&省電力 │
│                           │
└───────────────────────────┘

ポイント:Macが「今は重い作業か、軽い作業か」を自動判断して、最適なコアを使い分ける。その結果、高速なのに省電力になる。

比喩② 「ショッピングモール型コンピュータ」

SoC(System on a Chip)構造を説明するなら:

【Intel Mac】          【M1 Mac】
┌─────────────┐       ┌────────────────┐
│ 役所(CPU) │       │ ショッピング    │
└─────────────┘       │ モール          │
        ↓              │                │
┌─────────────┐       │ ┌─ 事務所      │
│ 倉庫(RAM) │       │ ├─ 倉庫        │
└─────────────┘       │ ├─ 工場        │
        ↓              │ └─ その他      │
┌─────────────┐       │                │
│ 工場(GPU) │       │ 移動が短い     │
└─────────────┘       │ = 高速&省電力 │
                       └────────────────┘
データ移動が長い
= 遅い&消費電力大

ポイント:バラバラの建物(Intel)より、1つのモール(M1)に全部入っている方が、データ移動が少なくて高速。

比喩③ 「共有ノート」(統合メモリ)

CPU・GPU・Neural Engine が同じメモリを使う仕組み:

【Intel時代】          【M1時代】
CPU用ノート            
└─ データA            ┌─ 共有ノート ─┐
                       │              │
GPU用ノート            │ データA      │
└─ データA(コピー)   │ データB      │
                       │ データC      │
↓ 毎回コピーが必要    │              │
遅い&消費電力大      │ CPU/GPU/AI  │
                       │ が全部見える │
                       └──────────────┘
                       コピー不要
                       = 高速&省電力

ポイント:CPU・GPU・Neural Engine が同じノート(メモリ)を見ているので、データをコピーする手間がゼロ。


Windows からM1 MacBook Air への乗り換え:注意点と対策

「Macに乗り換えたいけど、Windowsと違うから不安」という人向けのガイドです。

実際の乗り換え体験談

体験談①:レッツノート → M1 MacBook Air(2ヶ月使用)[8]

良かった点

  • ブラウジング、Office作業、軽い画像編集は「サクサクでファンレスなのに静か」
  • バッテリー持ちが大幅に向上。モバイル用途でACアダプタ不要の時間が増えた
  • トラックパッドのジェスチャー操作が快適で、マウスなしでも作業しやすい

戸惑った点

  • キーボード配列・ショートカットが別物(Ctrl → Command、Deleteキーの挙動など)で、最初の数日は戸惑う
  • 一部のWindows専用ソフトが使えず、代替アプリ探しが必要
  • 外付けSSD/HDDのフォーマット(NTFS)問題で、Macから書き込めないトラブルが発生

対処法

  • よく使うショートカットを紙にメモして、ディスプレイ脇に貼って慣れるまで運用
  • Windows専用アプリは「クラウド版」「Web版」「Mac対応ソフト」への置き換えを優先
  • 外付けストレージはMacから再フォーマット(exFAT)して、Windowsと両方で読み書きできるようにした

体験談②:理系大学生のWindows→Mac乗り換え[5]

良かった点

  • レポート作成、プレゼン、プログラミングなど「大学の一般的な用途」は問題なくこなせる
  • iPhone・iPadとの連携(AirDrop、メモ、写真同期)が便利で、課題提出のワークフローがスムーズになった

困った点

  • 大学指定の専門ソフト(CAD、統計ソフトなど)がWindows前提で、Mac版がないものもある
  • キーボードの配置差(Ctrlキー位置など)でショートカットが押しづらい

対処法

  • 専門ソフトは「大学PC室」や「リモートデスクトップ」でWindows環境を利用し、メインはMacで作業する二刀流に
  • macOSの「修飾キーの変更」でCaps LockとControlを入れ替え、WindowsのCtrl位置に近づけて違和感を軽減
システム設定 → キーボード → キーボードショートカット
→ 修飾キー → Caps Lockキーを「Control」に変更

体験談③:Windows 10終了でPC難民 → Mac mini 乗り換え[6]

良かった点

  • 10年使ったWindows機から乗り換えた結果、体感速度が劇的に向上し、日常作業のストレスが激減
  • 株取引、ブラウザベースのサービスはほぼ問題なく移行できた

注意点

  • 長年使っていたWindows用ソフトの一部が動かず、Mac対応アプリへの乗り換えが必要
  • 周辺機器(古いプリンタなど)のドライバがMac非対応で、買い替えを検討することに

対処法

  • ブラウザベース・クラウドサービス中心のワークフローに切り替え、OS依存度を下げる

乗り換え前にやるべきチェックリスト

失敗しないために、事前に確認しておくべき項目:

  • 必須ソフトが「Mac版 or ブラウザ版」で使えるか

    • 公式サイトで「macOS対応」「Appleシリコン対応」を確認
  • 会社・学校のPCポリシーでMacが許可されているか

    • 情報システム部門に相談
  • よく使う周辺機器(プリンタ、スキャナなど)がMac/Appleシリコン対応か

    • メーカーサイトで確認
  • 外付けHDD/SSDのフォーマット

    • NTFSなら、exFATに再フォーマットする計画を立てる
  • データはクラウド中心に整理しておく

    • 将来の再乗り換えも楽になる

キーボード・ショートカットの主な違い

操作WindowsMac
コピーCtrl + CCommand + C
ペーストCtrl + VCommand + V
保存Ctrl + SCommand + S
全選択Ctrl + ACommand + A
アンドゥCtrl + ZCommand + Z
ウィンドウ切り替えAlt + TabCommand + Tab
スクリーンショットWin + Shift + SCommand + Shift + 3

慣れるまでの目安:最初の3日間はイライラするが、1週間で基本操作、2週間でほぼストレスなく使えるようになった、という体験談が多いです。

ファイル互換性の注意点

NTFSフォーマットの問題

Windows機で使っていた外付けSSD/HDDが「NTFS」フォーマットの場合、Macでは読み取り専用になってしまいます。

対策:

  1. Windowsで既存データをバックアップ
  2. Macで外付けドライブを「exFAT」に再フォーマット
  3. データを戻す
Mac側の手順:
1. Finder で外付けドライブを右クリック
2. 「消去」を選択
3. フォーマットを「exFAT」に指定
4. 消去実行

Officeファイルについて

Word / Excel / PowerPoint などのファイルは、Macでも問題なく開けます。

  • Microsoft 365 をサブスク利用(推奨)
  • ブラウザ版 Office を使用(OneDrive経由)
  • Google Workspace で代替(Docs / Sheets / Slides)

2025年時点でのAppleシリコン最新状況

記事を書く時点での「今」を押さえておきましょう。

チップ世代の現状

  • M1(2020):初代。今でもコスパ最強の入門機として評価される
  • M2(2022):M1比でCPU1.1~1.2倍、GPU1.3~1.4倍。新デザイン(フラット化)が魅力
  • M3(2023):GPU強化(レイトレーシング対応)。4K動画編集向け
  • M4(2024~):AI処理強化。iPad Pro から展開開始

Apple Intelligence の登場

2024年から、Appleは「Apple Intelligence」というOS組み込みのAI機能を推進しています。

  • 写真の自動補正・生成
  • Siriの大幅強化
  • テキスト生成・要約機能

これらはAppleシリコン(特にNeu ral Engine)を前提に設計されているため、「Appleシリコン搭載Mac = 将来のAI機能をフルで使える」という価値が出てきました。

ジョニー・スルージ氏のニュース

Appleシリコン開発を主導してきたジョニー・スルージ氏について、2025年末時点での状況:

  • 退社検討報道があったが、その後「当面はAppleに留まる意向」と報じられている
  • Appleシリコンの開発は引き続き進行中

M1 MacBook Air を選ぶべき人・避けるべき人

最後に、「M1で十分か、新世代にするか」の判断基準をまとめます。

M1 MacBook Air がおすすめな人

以下に当てはまれば、M1で十分です:

  • ブラウジング、YouTube、Netflix、Office作業が中心
  • ブログ執筆、軽い写真編集、メール対応
  • Web開発、プログラミング学習
  • 大学のレポート・オンライン授業
  • 予算を抑えつつ、「サクサク動いて長く使えるMacが欲しい」

メリット:

  • 新品でも12~15万円、中古なら7万円前後で手に入る
  • バッテリー持ちと静音性は最高峰
  • 日常作業ではボトルネックになる場面がほぼない

M2/M3/M4 の検討が必要な人

⚠️ 以下に当てはまれば、新世代を検討する価値があります:

  • 4K動画編集を本気でやる(書き出し時間短縮が重要)
  • 3D・CADなど重い処理が必要
  • AI・機械学習の実験をやる
  • 最新のApple Intelligence機能をフルで使いたい
  • 「買い替えサイクルを長くしたい」ので、最新性能が欲しい

M2 MacBook Air の場合:

  • 新デザイン(フラット、ベゼル細め)、MagSafe復活
  • Liquid Retinaディスプレイで画面が綺麗
  • 価格差が許容できれば「見た目も新しくしたい」という人向け

M3/M4 の場合:

  • 4K動画編集でGPU性能が大幅に有利
  • レイトレーシング(高度な3D処理)に対応
  • AI処理がより高速

まとめ:Appleシリコン(M1)がすごい理由

Appleシリコン(M1)が革命的だった理由を、もう一度整理します:

1. 統合設計(SoC)による効率化

CPU・GPU・Neural Engine・メモリコントローラを1つのチップに統合することで、データ移動が短くなり、高速なのに省電力という矛盾を解決した。

2. ハードウェア・ソフトウェア・AIの一体最適化

Appleが自社でチップもOSも設計しているため、無駄がなく、効率的に動作する。これはWindowsのように複数メーカーが関わる場合とは異なる。

3. 実用的なメリット

  • バッテリー駆動が15~18時間(Windows機の1.5~2倍)
  • ファンレス設計で静音性が高い
  • 同価格帯のWindows機より処理速度が速い
  • 発熱が少なく、膝の上でも快適

4. 今も現役、将来も対応

2020年登場のM1でも、2025年時点で:

  • 日常作業には十分すぎる性能
  • macOSの最新版に対応
  • Apple Intelligence など今後のAI機能も利用可能(予定)

5. コスパが最強

  • 新品:12~15万円
  • 中古:7万円前後
  • 「体感差の小ささ割に、値段差が大きい」という理由で、多くの人に推奨される

最後に:「Appleシリコン」はなぜ成功したのか

Appleシリコンの成功は、単なる「チップの性能」ではなく、「自社で全部設計する」という戦略にありました。

Intel時代は、Appleは「Intelが作ったチップを使う側」でした。性能や効率は、Intelの設計に依存していたわけです。

しかし、M1で自社設計に切り替えることで:

  • 自分たちが求める性能を、自分たちで実現できるようになった
  • MacOS との最適化を、自由に進められるようになった
  • 将来のAI・機械学習に向けて、チップレベルから準備できるようになった

これが、Appleシリコンが「単なる高速チップ」ではなく、「Macというプラットフォーム全体を変える革新」として評価される理由です。

初心者向けに説明するなら:

「Appleシリコンは、Appleが『自分たちのMacに最適な頭脳を自分たちで作った』という決断から生まれた。その結果、Intel時代には考えられないほど、高速で省電力で静かなMacが実現した。」

この理解があれば、「なぜAppleシリコンがすごいのか」という本質が、初心者にも分かるようになります。


関連リソース・参考資料

記事執筆時に参考にした情報源:

  • [1] Geekbench公式サイト - CPU/GPU性能ベンチマーク
  • [2] 実機レビュー(バッテリー駆動時間の実測値)
  • [3] 大学生向けMac選定ガイド
  • [4] Obsidian/データ移行ガイド
  • [5] 理系大学生のMac乗り換え体験談
  • [6] Windows 10終了対応でのMac乗り換え事例
  • [8] Web開発者によるM1 MacBook Airレビュー
  • [9] Neural Engine の機械学習性能に関する技術資料

記事作成日:2025年12月9日
対象読者:Macに興味がある人、Windowsからの乗り換え検討中の人
難易度:初心者向け
推定読了時間:15-18分

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