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【完全ガイド】親世代が知るべき2025年の若者SNS事情|TikTok・Instagram・Discord・BeRealの使い分け実態

👤 いわぶち 📅 2025-12-10 ⭐ 4.8点 ⏱️ 18m

📌 1分で分かる記事要約

  • 若者は1つのSNSではなく、目的ごとに4~5つのSNSを使い分けているのが2025年の主流です
  • TikTokは「テレビ+検索エンジン」、Instagram Reelsは「おしゃれなアルバム」、Discordは「オンライン部室」、BeRealは「盛らない日記」として機能しており、それぞれ役割が異なります
  • 子どもが使うSNSの安全設定(公開範囲・DM制限・位置情報オフ)を親が理解し、一緒に確認することが重要です
  • 親世代が「見るだけユーザー」から始めることで、子どもとの会話がぐっと増え、信頼関係も深まります
  • 本名・顔・位置情報の3つを同時に出さないという共通ルールが、すべてのSNS利用の基本です

📝 結論

「子どもはTikTokばっかり」「インスタは写真アプリでしょ?」という認識は、もう古いです。2025年の若者は、情報を「見たい」「検索したい」「友達と話したい」「本音を共有したい」といった目的ごとに、複数のSNSを器用に使い分けています。この記事では、親世代や中年層が「若者の世界をのぞく双眼鏡」として、各SNSの特徴と安全な利用方法を学べます。無理に投稿する必要はなく、「子どもたちがどんな環境で生きているか」を理解することが、世代間コミュニケーションの第一歩です。


LINEとFacebookの時代は終わった|2025年の若者SNS地図

「子どもはTikTokばっかり見てる」という親の声をよく聞きますが、実はそれは氷山の一角です。2025年時点で、Z世代(17~28歳)の約半数はTikTokを使っていますが、同時に**Instagram(71.6%)、X(66.8%)、そしてBeReal(22.8%)**など、複数のSNSを目的別に使い分けています。

親世代が「1つのSNSでなんでも済ます」時代と異なり、今の若者は**「見たいコンテンツ」「表現したい自分」「話したい相手」によってSNSを切り替える**のが当たり前です。この使い分けの構造を理解することが、子どもとの会話をはずませ、セキュリティリスクを減らす第一歩になります。

「目的別SNS使い分け」の全体像

若者のSNS利用を大きく4つに分類すると、以下のような構図が見えてきます。

目的よく使うSNS特徴利用シーン
見る・検索TikTok / Instagram Reels短い動画を次々視聴・情報検索暇つぶし、レシピ検索、旅行スポット探し
見せる・共有Instagram投稿・ストーリーズ写真+コメントで自分を表現旅行の記念、新しい髪型、友達との思い出
話す・つながるDiscordテキスト+音声で仲間と交流ゲーム中の通話、部活の連絡、趣味仲間との雑談
本音を共有BeReal加工なし・盛らない日常を記録親友だけに見せる素の日常、毎日のスナップ

この4つの目的を理解することで、「なぜ子どもはこんなにアプリを入れているのか」という疑問が、すっきり解けます。


TikTok:若者の「テレビ+Google検索」が合体したアプリ

TikTokはなぜ「ダンスアプリ」ではないのか

「TikTok=ダンス動画」というイメージは、もう古い認識です。2025年のTikTokは、若者にとってテレビのバラエティ番組を見るのと同じ感覚で、短い動画を延々と流し見する場所になっています。さらに注目すべきは、Google検索よりもSNS検索を優先する若者が増えており、TikTokは実質的な「検索エンジン」として機能しているという点です。

実際のところ、Z世代の約半数が「レストラン探し」「メイク方法」「勉強のコツ」といった情報を、Google検索ではなくTikTokで最初に検索するという調査結果も出ています。つまり、TikTokは単なる娯楽アプリではなく、若者の日常生活における情報取得の中心地になっているのです。

TikTokの仕組み:「フォロー」ではなく「レコメンド」

親世代がFacebookやTwitter(X)を使うとき、基本的には「自分がフォローした人の投稿」を見ます。しかしTikTokは全く異なります。アプリを開くと、自分がフォローしていない人の動画が次々と流れてくるのです。

この仕組みを「レコメンド(おすすめ)」と呼び、TikTokのアルゴリズムが「このユーザーはこういう動画を好みそう」と判断した動画を自動的に表示します。つまり、自分の行動履歴(どの動画を長く見たか、いいねを付けたか、最後まで見たか)に基づいて、パーソナライズされた”テレビ番組”が自動で作られているようなものです。

この特性のため、若者は「つい1時間も見てしまった」という経験をよくします。これは意志の弱さではなく、アプリの設計が「長時間視聴を促す」ように作られているためです。親が子どもの利用時間を心配する場合、「見るな」ではなく「1日◯分だけ」と時間制限を一緒に決めるアプローチが効果的です。

若者がTikTokで検索する「リアルな使い方」

具体的には、以下のようなシーンでTikTokが活躍しています。

1. 飲食店・カフェ・旅行スポット探し 「渋谷 カフェ」「京都 穴場」「デートスポット 東京」といったキーワードでTikTokを検索すると、実際にそこを訪れた人の動画が出てきます。Googleの文字情報よりも、「実際の雰囲気」が動画で分かるため、若者はこちらを優先します。

2. メイク・ファッション・ヘアスタイルのハウツー 「奥二重 メイク」「骨格診断 コーデ」「セルフカット 失敗しない方法」など、1分前後の短い動画で具体的な手順を学べます。YouTube全体の動画より「短くて分かりやすい」という理由で、TikTok検索が優先されます。

3. 勉強・資格試験対策 「英単語 覚え方」「数学 因数分解」「簿記 勘定科目」といった学習コンテンツも充実しており、特に「ストック系」(後から検索されやすい)の解説動画は再生数が伸びています。

4. 推し活・趣味の情報収集 推しアイドルやアニメのファンアート、考察、グッズ紹介など、自分の好きなコンテンツを探す場所としても機能しています。

TikTokを安全に使うための親向けチェックリスト

子どもがTikTokを使う場合、親が確認すべき設定項目は以下の通りです。

1. アカウントを「非公開」に設定

  • 設定 → プライバシー → 「非公開アカウント」をオン
  • 非公開にすると、承認したフォロワーにしか動画が見えません

2. コメント欄を制限

  • 設定 → コメント → 「フォロワーのみ」か「オフ」に変更
  • 知らない大人からの接触を防ぐことができます

3. DM(メッセージ)受信を制限

  • 設定 → メッセージ → 「友達のみ」に変更
  • または「誰からも受け取らない」で完全に遮断も可能

4. 位置情報をオフに

  • スマホの設定 → TikTokのアクセス権限 → 位置情報を「使用しない」
  • これにより、撮影場所から自宅や学校が推測されるリスクを減らせます

5. 動画に映り込む情報に注意

  • 玄関の表札、窓から見える景色、制服の校章、家の中の特徴的な物
  • これらが映ると、個人特定のリスクが高まります

Instagram Reels:おしゃれ寄りのTikTok+アルバム機能

InstagramとTikTokの「使い分け」が明確化

親世代は「Instagram=写真を共有するアプリ」という認識かもしれませんが、2025年のInstagramは大きく変わっています。特に若年層の間では、Reels(リール)という短い動画機能が、写真と同じくらい重要になっています。

興味深いのは、若者が「TikTok」と「Instagram Reels」を明確に使い分けている点です。

  • TikTok:「完全に見る専」「フォローしていない人の動画も見る」「トレンドをチェック」
  • Instagram Reels:「友達や知り合いの動画を見る」「自分もリール投稿する」「おしゃれ寄りの内容」

この違いを理解することで、「なぜInstagramも必要なのか」という疑問が解けます。

InstagramとBeRealの棲み分け

さらに興味深い傾向として、若者の間ではInstagram と BeReal の使い分けも明確化しています。

  • Instagram投稿・リール:「特別な日」「おしゃれに見える瞬間」を選んで投稿
  • BeReal:「普通の日常」「盛れない瞬間」もそのまま投稿

つまり、Instagramは「見栄を張った自分」を見せる場所、BeRealは「素の自分」を見せる場所として機能しているわけです。これは若者がSNS疲れを感じており、「完璧な自分を演じ続けるのは疲れる」という心理を反映しています。

Instagramで検索が増えている理由

2025年時点で、特に注目されているのは**「Instagramで検索する若者が急増している」という現象**です。

  • レストラン探し:「渋谷 ラーメン」「京都 抹茶」などで検索
  • ファッション情報:「春コーデ」「骨格診断」などで検索
  • 旅行スポット:「沖縄 穴場」「北海道 温泉」などで検索

Google検索よりも、「実際の利用者による写真・動画」が見られるため、信頼度が高いと感じる若者が増えています。さらに、Instagramの「ショッピング機能」により、「いいなあ」と思った商品をそのまま購入できるという利便性も、検索利用を促進しています。

Instagram Reelsと投稿の違い

Instagramには、大きく分けて3つの投稿方法があります。

投稿タイプ特徴見える範囲保存期間
通常投稿写真1枚~複数枚+キャプションフィード+プロフィール消えない
ストーリーズ写真・動画を軽く投稿フォロワーのストーリー欄24時間で消える
リール短い動画(最大90秒)フィード+発見タブ+全世界消えない

若者は、この3つを「その時の気分」や「見せたい人の範囲」によって使い分けています。

  • 通常投稿:「これは記録に残したい」という特別な日(誕生日、卒業、旅行)
  • ストーリーズ:「今日のちょっとした出来事」を気軽に共有
  • リール:「少し作り込んだ動画」をシェア、または「流行りの音楽に乗せて踊る」

Instagramを安全に使うための親向けガイド

1. アカウントを「非公開」に設定

  • 設定 → プライバシー → 「非公開アカウント」をオン
  • フォローリクエストを承認した人だけが投稿を見られます

2. タグ付けを制限

  • 設定 → プライバシー → 「タグ付けを制限」
  • 知らない人に勝手にタグを付けられるのを防ぎます

3. DM受信を「フォロー中の人のみ」に

  • 設定 → メッセージ → 「フォロー中の人のみ」
  • 不審なメッセージが減ります

4. プロフィール情報を最小限に

  • 本名は出さない、ニックネームのみ
  • 学校名・勤務先などは記載しない
  • 顔がはっきり分からないプロフィール写真を選ぶ

5. 「親しい友達」機能を活用

  • ストーリーズを「親しい友達のみ」に限定
  • 家族や信頼できる友達だけに見せる使い方ができます

Discord:オンラインの「部室」から「たまり場」へ

Discordは「ゲーム用通話アプリ」ではなくなった

親世代が「Discord」という言葉を聞くと、「ゲーマーが使うアプリ」という認識かもしれません。実際、Discordはもともとゲーマーが協力プレイ中に通話するために開発されました。しかし2025年時点では、その用途ははるかに広がっています。

  • ゲーム仲間との通話
  • 学校の部活・サークルの連絡用
  • 大学のゼミ・研究室の情報共有
  • 推し活(推しアイドル・アニメ)のファンコミュニティ
  • 勉強会・自習室としての利用
  • 趣味(イラスト、音楽制作、執筆など)の同志との交流

つまり、Discordは**「クローズドなコミュニティ用のプラットフォーム」として機能**しており、若者にとっては「自分たちだけの場所」を作るのに最適なツールになっているのです。

Discordの基本構造:サーバー>チャンネル

Discordを理解するうえで、最も重要なのが「サーバー」と「チャンネル」という概念です。

サーバーとは、1つのコミュニティ全体を指します。例えば:

  • 「ゲーム仲間サーバー」
  • 「大学のサークルサーバー」
  • 「推し活サーバー」

チャンネルとは、サーバーの中の「話題別の小部屋」です。例えば、「ゲーム仲間サーバー」の中には:

  • 「雑談チャンネル」
  • 「ゲーム戦略チャンネル」
  • 「スクショ・動画共有チャンネル」
  • 「ボイスチャンネル(通話用)」

といった具合に、複数のチャンネルが存在します。

親世代にたとえるなら、**「サーバー=サークル」「チャンネル=部室の中の掲示板」**という感じです。

若者がDiscordを使う「リアルなシーン」

1. ゲーム中の通話 オンラインゲーム(スプラトゥーン、APEX、原神など)をプレイしながら、ボイスチャンネルで仲間と会話。テキストチャットで攻略情報や動画クリップも共有します。

2. 部活・サークルの連絡 公式のLINEグループより、Discordで「連絡用チャンネル」「雑談チャンネル」「資料共有チャンネル」に分けて管理。先生の目が届かない「本音トーク」もここで行われます。

3. 勉強会・自習室 テスト前に友達とサーバーを作り、カメラオン・マイクオンで「一緒に勉強している感覚」を作ります。わからない問題は「質問チャンネル」で聞き、先輩がすぐに答えてくれることも。

4. 推し活コミュニティ 同じアイドル・アニメの推しを持つファン同士が集まり、毎日ボイスチャットで推しについて語り合う。公式の情報共有、グッズ情報、考察など、細かく分類されたチャンネルで情報交換します。

5. 趣味の同志との交流 イラスト、音楽制作、執筆、ゲーム開発など、同じ趣味を持つ人たちが集まり、作品を共有したり、フィードバックをもらったりします。

Discordのリスク:親が知っておくべき注意点

Discordは「クローズドなコミュニティ」という利点がある一方で、セキュリティ上のリスクも存在します。

1. 知らないサーバーへの参加リスク 公開サーバーに参加すると、見知らぬ人と接触する可能性があります。その中には:

  • 大人が子どもになりすましている
  • 過激な内容・アダルトコンテンツが共有されている
  • いじめ・暴言が横行している

といったケースもあり得ます。

2. 音声通話での個人情報漏洩 画面共有機能を使うときに、背景に映る情報(本名が入ったLINE、学校のシステム、制服の校章など)が他の参加者に見えてしまうリスクがあります。

3. 長時間のボイスチャット依存 友達と通話が楽しいあまり、つい何時間も話し続けてしまい、睡眠不足になるケースも報告されています。

子どもがDiscordを安全に使うための親向けルール

1. 参加するサーバーを親が把握する 「どんなサーバーに入っているか」「誰が管理しているか」を定期的に子どもに聞きましょう。リアルの友達だけのサーバーが基本です。

2. 知らない人からのフレンド申請は許可しない

  • 設定 → プライバシー → 「フレンド申請できる人」を「共通のサーバーのメンバーのみ」に
  • または「誰からも受け取らない」に設定

3. DM受信を制限

  • 設定 → メッセージ → 「フレンドのみ」に
  • 不審なメッセージが来ても、開かずにブロック・報告を教えておきます

4. 音声通話時のルール作り

  • 顔出しは基本NG(声だけ)
  • 画面共有する前に、背景をチェック
  • 通話時間を「◯時まで」と決める

5. 通話履歴・サーバー一覧を時々確認 完全にプライバシーを侵害するのではなく、「何か変わったことはないか」という観点で、定期的に一緒に確認することが大切です。


BeReal:SNS疲れから解放される「素の日常」の記録

BeRealが急成長している理由:SNS疲れへのアンチテーゼ

2025年時点で、最も注目されているSNSがBeRealです。Z世代の利用率は2023年の13.2%から2025年には22.8%まで成長しており、InstagramやXが減少傾向にある中で唯一の成長SNSとなっています。

その理由は、BeRealが**「盛らない・加工しない・ありのままの日常」をコンセプト**にしているからです。

従来のSNS(特にInstagram)では、以下のような「疲れ」が生じていました。

  • 「いかに自分をよく見せるか」を常に考える
  • 完璧な写真を撮るまで何度も撮り直す
  • いいね数を気にして、投稿するか迷う
  • 他人の「映え」と自分を比較して落ち込む

BeRealは、このすべてを排除します。「1日1回、ランダムな時間に通知が来て、その瞬間をそのまま撮って投稿する」という仕組みにより、「盛る余地がない」「作る時間がない」という制約が、逆に自由さをもたらしているのです。

BeRealの使い方:1日1回の「その瞬間」を撮る

BeRealの特徴は、非常にシンプルです。

1. 毎日、ランダムな時間に通知が来る 朝かもしれません、昼かもしれません、夜かもしれません。通知が来た時間は毎日異なります。

2. 通知が来たら、2分以内に撮影 前カメラ(自分の顔)と後ろカメラ(周囲の風景)が同時に撮影されます。加工・修正はできません。

3. そのまま投稿 フレンド(承認した人)だけが見られる形で自動投稿されます。

4. フレンドの投稿にリアクション 絵文字スタンプやコメントで、友達の「今」に反応します。

BeRealを使う若者の「リアルな使い方」

1. 「今何してるか」を友達と共有

  • 朝:「今起きた」「朝食中」
  • 昼:「授業中」「バイト中」「カフェにいる」
  • 夜:「課題中」「友達と遊んでる」「寝る前」

といった、その瞬間の「素の自分」を記録。完全にリアルタイムなので、「あ、同じ時間に同じことしてる」という偶然の共有が楽しいのです。

2. 親友だけとの「距離感を保つツール」 毎日お互いのBeRealを見ることで、連絡を取らなくても「今日も元気そうだな」と確認できます。LINEで毎日メッセージを交わさなくても、BeRealで「つながっている感覚」が得られるのです。

3. SNS疲れからの「逃げ場」として Instagramのように「いいね数」が見えず、「評価される」という感覚がありません。だからこそ、「ありのままの自分を見せても大丈夫」という安心感が生まれます。

4. 後から見返す「自分だけのライフログ」 数ヶ月分のBeRealを見返すと、「あの時期こんな生活してたな」と時間の流れを感じられます。日記のような使い方もされています。

BeRealの「リアルじゃない側面」:実態と理想のギャップ

興味深いことに、BeRealは「完全なリアルタイム投稿」ではなく、実はかなりの「調整」が行われています。

調査によると、BeRealユーザーの73%が「投稿タイミングを操作している」と報告しています。具体的には:

  • 29%が「投稿しないことが多い」
  • 25%が「後から『面白いこと』があった時に投稿する」
  • 18%が「少しマシな状況になるのを待って投稿する」

つまり、BeRealは「盛らないSNS」というコンセプトながら、ユーザーは「完全なリアルタイム性よりも『適度な素らしさ』」を求めているわけです。これは、「完全に素の自分を見せるのは恥ずかしい」という人間らしい心理を反映しています。

BeRealを安全に使うための親向けガイド

1. フレンドは「リアルの友達のみ」に限定

  • 基本的にクローズドなアプリなので、知らない人を追加しない
  • 子どもに「どんな友達がフレンドか」を時々聞いてみましょう

2. 位置情報をオフに

  • スマホの設定 → BeRealのアクセス権限 → 位置情報を「使用しない」
  • 毎日同じ場所から投稿すると、生活パターンが読まれやすくなります

3. 部屋の中・家の周りを撮るときのルール

  • 玄関・窓の外・住所がわかる郵便物は映さない
  • 制服・社員証など、学校や職場が特定される物は映さない
  • 家族や友人が写る場合は、投稿前に相手に確認する

4. スクリーンショットについて教える

  • 相手がスクリーンショットを撮れば、写真は簡単に保存される
  • 「一度ネットに出した写真は、完全には消せない」という認識を持つ

5. 「投稿しない」という選択肢もあることを伝える

  • 通知が来ても、その瞬間が気に入らなければ投稿しなくてOK
  • 無理に毎日投稿する必要はないことを理解させましょう

親世代が知っておくべき「全SNS共通の3つのルール」

ルール1:「本名・顔・位置情報」の3つを同時に出さない

どのSNSでも共通して言えるのが、**「個人特定のリスク」**です。特に注意すべきは、以下の3つの情報を同時に出さないことです。

  • 本名
  • 顔写真
  • 位置情報(自宅、学校、よく行く店など)

この3つが揃うと、「どこに住んでいる誰なのか」が特定されるリスクが極めて高くなります。

実際のところ、SNSで知り合った大人が子どもに接近する事件も報告されており、その多くが「SNSで公開されていた情報から個人特定された」というパターンです。

親世代も、子どもと一緒に「このアカウントでは本名を出さない」「顔がはっきり分からないアイコンにする」「位置情報はオフにする」といったルールを、事前に決めておくことが大切です。

ルール2:「お金」「写真」「リアルで会う」はすべてNGと伝える

SNS上で知り合った人との間で、以下のことが起きたら要注意です。

「お金」に関する話

  • 「お金を貸して」
  • 「ギフトカードを買ってくれない?」
  • 「課金代行してくれない?」
  • 「副業で稼げる」「投資で儲かる」

これらは詐欺・搾取の典型的なパターンです。「SNS上で知り合った人からお金の話が来たら、すぐに親に報告する」と教えておきましょう。

「写真」に関する話

  • 「自分の写真を送ってくれない?」
  • 「友達の写真をください」
  • 「顔を見たい」

これは、児童搾取・恐喝の入り口になり得ます。「自分や友達の写真は、SNS上の知らない人には絶対に送らない」と、強く教えておくべきです。

「リアルで会う」という話

  • 「今度、実際に会おう」
  • 「どこに住んでるの?」
  • 「学校はどこ?」

SNS上での「友達」が、必ずしも「安全な人」とは限りません。大人が子どもになりすましている可能性も十分あります。「SNSで知り合った人と、親の許可なく会うのは絶対NG」というルールは、どの家庭でも必須です。

ルール3:「困ったことがあったら、まず親に相談する」という環境作り

最後に重要なのが、**「何か困ったことがあったら、すぐに親に言える環境」**を作ることです。

子どもが「知らない人からメッセージが来た」「嫌なコメントをされた」「誰かにいじめられている」といった状況に直面したとき、親に相談しやすい関係性があるかどうかで、被害の大きさが大きく変わります。

親世代が「SNSは危険」と一方的に禁止するのではなく、「何か困ったことがあったら、一緒に解決しよう」というスタンスを示すことが、実は最も効果的なセキュリティ対策になります。

具体的には:

  • 定期的に「最近SNSで何してるの?」と聞く
  • 子どもが見せてくれたら、否定せずに「へえ、こんなことしてるんだ」と興味を示す
  • 「このコメント、どう思う?」「この人、怪しくない?」と、一緒に判断する練習をする

といったアプローチが有効です。


親世代が「ちょっと触ってみる」ための超実践ガイド

「見るだけユーザー」から始めるメリット

「子どもが使っているSNSって、どんなものなのか」を理解するために、親世代も一度アプリをインストールして、「見るだけユーザー」として試してみることをお勧めします。

ここで重要なのは、**「投稿する必要はない」**ということです。見るだけでも、十分に「今の若者がどんな世界で生きているか」が分かります。

むしろ、親世代が無理に投稿しようとすると、以下のようなリスクが生じます。

  • 子どもに「親がSNSを使ってる」という不安感を与える
  • 親の投稿に子どもが「いいね」をしなければならないプレッシャー
  • 親の「古い使い方」が子どもに恥をかかせる

ですから、最初は「見るだけ」に徹して、「子どもの世界をのぞく双眼鏡」として使うのが正解です。

各SNSの「最初にやること」:段階別ガイド

TikTokを試す場合

ステップ1:アプリをインストール

  • スマホのアプリストアで「TikTok」を検索
  • 「入手」をタップしてインストール

ステップ2:アカウント作成

  • 電話番号またはメールアドレスで登録
  • プロフィールは「ニックネーム+アイコン画像なし」でOK

ステップ3:興味のあるキーワードで検索

  • 例:「料理」「ゴルフ」「旅行」「ガーデニング」など
  • 2~3本の動画を見てみましょう

ステップ4:「おすすめ」タブを眺める

  • アプリを開いたときに出てくる「For You」画面で、自動的に流れてくる動画を見ます
  • 「これは面白い」と思った動画は、ハートマーク(いいね)をタップ
  • つい長時間見てしまう場合は、「1日◯分だけ」と時間制限を自分に課す

Instagram Reelsを試す場合

ステップ1:アプリをインストール

  • スマホのアプリストアで「Instagram」を検索
  • インストール後、アカウント作成

ステップ2:プロフィール設定

  • ニックネーム(本名は不要)
  • アイコン画像(顔がはっきり分からないものが無難)

ステップ3:興味のあるキーワードで検索

  • 虫めがねアイコン(検索タブ)をタップ
  • 例:「ガーデニング」「料理」「ファッション」など入力

ステップ4:Reelsタブで動画を見る

  • ホーム画面の「Reels」タブをタップ
  • 縦にスワイプして、次々と動画を見ます

ステップ5:気に入った投稿は「保存」

  • 右下のブックマークアイコンをタップ
  • 後で見返したいときに、プロフィール → 保存済みで確認できます

Discordを試す場合

ステップ1:アプリをインストール

  • スマホのアプリストアで「Discord」を検索
  • インストール

ステップ2:アカウント作成

  • メールアドレスで登録
  • ニックネーム設定(本名は不要)

ステップ3:サーバーに招待してもらう

  • 子どもや詳しい友人に「Discordのサーバーに招待してもらう」と頼む
  • 招待リンクを送ってもらい、タップしてサーバーに参加

ステップ4:テキストチャンネルを見てみる

  • 左側に表示されるサーバーをタップ
  • 中のテキストチャンネルを選んで、会話の流れを観察
  • 最初は「見るだけ」で、雰囲気をつかむ

BeRealを試す場合

ステップ1:アプリをインストール

  • スマホのアプリストアで「BeReal」を検索
  • インストール

ステップ2:アカウント作成

  • 電話番号で登録
  • ニックネーム設定

ステップ3:家族だけで始める

  • 子どもや配偶者にフレンド申請を送る
  • まずは「身内だけ」の環境で、雰囲気をつかむ

ステップ4:通知を待つ

  • 1日1回、ランダムな時間に通知が来ます
  • 最初は「見るだけ」でOK。投稿は無理にしなくて大丈夫

親が陥りやすい「3つの失敗パターン」と対策

失敗1:子どもに「見てる」ことを言わない

  • ❌ 親が子どものアカウントをこっそりフォロー
  • ✅ 「ちょっと勉強のためにTikTok入れてみたよ」と正直に伝える

失敗2:子どもの投稿に無理にいいねやコメント

  • ❌ 親が子どものすべての投稿に「いいね」をする
  • ✅ 子どもが親に見せてくれたときだけ、「へえ、こんなことしてるんだ」と反応

失敗3:親自身が「完璧な投稿」をしようとする

  • ❌ 親が子どもの友達に見られることを意識した投稿
  • ✅ 見るだけに徹して、投稿は控える

子どもとの「SNS会話」を増やすためのコツ

「何してるの?」より「何見てるの?」と聞く

子どもにSNSについて聞くときのコツは、「投稿」ではなく「閲覧」に焦点を当てることです。

  • ❌ 「最近、何か投稿した?」

  • ✅ 「最近、TikTokで何見てるの?」

  • ❌ 「Instagramで何してるの?」

  • ✅ 「Instagramで、どんなアカウントをフォローしてるの?」

  • ❌ 「Discordって何?」

  • ✅ 「Discordで、どんな友達と話してるの?」

このように聞くことで、子どもは「親に監視されている」という感覚ではなく、「親が自分の世界に興味を持ってくれている」と感じやすくなります。

具体的な会話フレーズ例

TikTokについて

  • 「最近、TikTokでバズってる動画とか見た?」
  • 「TikTokで何か面白い動画見つけた?」
  • 「TikTokでよく検索することって、どんなことが多いの?」

Instagramについて

  • 「インスタで、最近のカフェとかどこで探してるの?」
  • 「インスタのリール、どんなの見てるの?」
  • 「インスタで友達の近況、よく見るの?」

Discordについて

  • 「Discordで、どんな友達と話してるの?」
  • 「Discordのサーバー、いくつぐらい入ってるの?」
  • 「Discordで何が一番楽しいの?」

BeRealについて

  • 「BeRealって、毎日投稿してるの?」
  • 「BeRealで、どんな友達とつながってるの?」
  • 「BeReal、面白いと思う?」

親自身の「SNS体験」を子どもに伝える

さらに効果的なのが、親世代が「見てみた感想」を子どもに伝えることです。

例えば:

  • 「お母さんもTikTok入れてみたんだけど、レシピ動画がいっぱい出てきて、これ便利だね」
  • 「お父さんがInstagramでゴルフ動画見てたら、いろんなコース紹介が出てきた」
  • 「Discordって、こういう仕組みなんだ。オンライン部室みたいだね」

こうすることで、子どもは「親も自分たちの世界に少しは理解してくれている」と感じ、より開かれた会話ができるようになります。


2025年の若者SNS利用実態:最新データから見える傾向

Z世代のSNS利用率の現状

2025年10月時点の調査によると、Z世代(17~28歳)のSNS利用率は以下の通りです。

  1. YouTube 86.1%
  2. LINE 85.8%
  3. Instagram 71.6%
  4. X(Twitter) 66.8%
  5. TikTok 52.8%

一見すると「TikTokより、InstagramやXの方が利用率が高い」に見えるかもしれません。しかし、この数字だけでは、実態は見えません。

「利用率」と「利用時間」は別物

重要なのは、「利用率」と「利用時間」は全く異なるということです。

例えば、Instagramは71.6%の利用率がありますが、その中には「たまに見るだけ」という人も多く含まれています。一方、TikTokは52.8%の利用率ながら、「毎日見ている」「1日に複数回見ている」という若者が多く、実際の「使い込み度」は非常に高いのです。

つまり、若者の「主要なSNS」を理解するには、利用率だけでなく、**「どの程度の頻度で、どの程度の時間使っているか」**という観点が必要です。

BeRealが唯一成長しているSNS

最も注目すべき傾向が、BeRealの急速な成長です。

  • 2023年:13.2%
  • 2024年:21.4%
  • 2025年:22.8%

この3年間で、9.6ポイントの成長を遂行しており、同じ期間にInstagramやXが減少傾向にある中で、唯一の「成長SNS」となっています。

この背景には、若者が**「SNS疲れ」から解放されたい**というニーズと、「盛らない・加工しない・ありのままの日常」というBeRealのコンセプトが、見事にマッチしたことがあります。

世代間の利用率格差が最大のSNS

もう1つ注目すべきは、Z世代と上の世代(29~60歳)の利用率格差です。

  • BeReal:Z世代22.8% vs 上の世代0.8%(差:22.0ポイント)
  • TikTok:Z世代52.8% vs 上の世代30.9%(差:21.9ポイント)
  • Instagram:Z世代71.6% vs 上の世代38.2%(差:33.4ポイント)

特にBeRealの格差の大きさは、**「世代によって全く異なるデジタル文化が形成されている」**ことを示しています。親世代がBeRealについて「よくわからない」と感じるのは、当然のことなのです。


まとめ:親世代が「子どもの世界をのぞく」ための第一歩

SNSは「敵」ではなく「理解の窓」

親世代が陥りやすい罠は、「SNSは危険だから避けるべき」という一方的な判断です。しかし実際には、SNSは若者にとって:

  • 情報取得の重要な手段(検索、トレンドチェック)
  • 人間関係の構築・維持の場(友達とのつながり)
  • 自己表現の場(自分の興味や考えを発信)
  • コミュニティへの参加(同じ趣味の人とのつながり)

といった、生活の一部になっています。

ですから、親世代ができることは、「SNSを禁止する」のではなく、**「SNSを通じて、子どもの世界をより良く理解する」**ことなのです。

最後に:親が子どもに伝えるべき「3つのメッセージ」

  1. 「SNS自体は悪くない。ただし、使い方が大切」

    • SNSは便利なツール。でも、個人情報の扱いや、相手との距離感には気をつけようね
  2. 「困ったことがあったら、一人で抱え込まないで」

    • 知らない人からメッセージが来た、嫌なコメントをされた、いじめられているなど、何か困ったことがあったら、すぐにお母さん(お父さん)に言ってね
  3. 「親も理解しようとしているから、時々教えてくれない?」

    • 親も完全には分からないけど、君たちの世界を理解したいと思ってる。だから、時々「今、こんなことがはやってるよ」とか教えてくれると嬉しい

このメッセージが、子どもに届くかどうかで、親子間のデジタルリテラシーの教育が大きく変わります。

最初の一歩

まずは、親世代も「見るだけユーザー」として、子どもが使っているSNSの1つをインストールしてみてください。「本当に、こんなに次々動画が出てくるんだ」「こういう検索の仕方をするんだ」という発見が、子どもへの理解を深め、より良い会話につながります。

SNSは、親世代にとって「理解できない世界」ではなく、**「子どもの世界をのぞく双眼鏡」**になり得るのです。

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