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ARM版Windowsで開発できる?Web開発向けノート選びの完全ガイド

👤 いわぶち 📅 2025-12-24 ⭐ 4.5点 ⏱️ 12m
ARM版Windowsで開発できる?Web開発向けノート選びの完全ガイド

ポッドキャスト

🎙️ 音声: ずんだもん / 春日部つむぎ(VOICEVOX)

📌 1分で分かる記事要約

  • ARM版WindowsでのWeb開発は十分実現可能:VSCode、Node.js、VivaldiブラウザはすべてARM64ネイティブ対応で、エミュレーション不要の高速動作
  • 開発環境の構築が簡単:Scoop経由でNode.js v18をインストール、pnpmなどのパッケージマネージャーも問題なく動作
  • 中古ノートなら10万円台から購入可能:Surface Laptop 7やThinkPad T14s Gen6などが選択肢、保証付きで安心
  • ただし解像度にこだわる場合は注意:WQXGA(2560×1600)搭載のARM機は現状ほぼ見当たらず、解像度優先ならx86機も検討必要
  • バッテリー持続性と軽量性が大きなメリット:MacBook Air代替として、モバイル開発環境に最適

📝 結論

ARM版Windowsは、VSCode・Node.js・Vivaldiといった主流の開発ツールがネイティブ対応しているため、モダンなWeb開発に十分対応可能です。中古市場で10万円台から購入でき、バッテリー持続性に優れたノートを手に入れられます。ただし、WQXGA解像度や特殊なドライバが必要な開発環境がある場合は、事前の互換性確認が重要です。


ARM版Windowsで本当にWeb開発できるのか?

「ARM版Windowsで開発ツールが動くのか」という不安は、多くの開発者が持つ疑問です。結論から言うと、VSCode、Node.js、Vivaldiブラウザなどの主流ツールはすべてARM64ネイティブ対応しており、問題なく動作します

期待できること・できないこと

ARM版Windowsの実力を理解するには、何ができて何ができないかを明確に分けることが重要です。

✅ 期待できる領域

省電力性と長時間バッテリー持続が、ARM版Windowsの最大の強みです。ARMプロセッサの特性により、日常的なWeb開発タスクでは以下が実現できます:

  • Webブラウザ(Chrome、Edge、Firefox)での複数タブ開きながらの開発検証
  • VS Codeでのコーディングとリアルタイムプレビュー
  • Node.jsサーバーの起動と複数プロジェクトの同時実行
  • WSL2(Windows Subsystem for Linux)経由でのLinux環境構築

これらはすべてエミュレーション不要で、ネイティブ速度で動作します。

⚠️ 制限・注意が必要な領域

一方、以下の場面では制限や注意が生じます:

  • 古いx86/x64専用ツール:エミュレーション実行により、パフォーマンス低下や不安定さが発生する可能性
  • 特殊なドライバが必要なハードウェア:カーネルモードドライバ非対応のため、一部周辺機器が動作しない
  • 企業・学校指定の開発ソフト:まだARM版Windowsを非推奨としている組織も存在
  • 重い処理:動画編集やDockerコンテナを大量に扱う場合は、Intel/AMD機に劣る可能性

実際に動作するツール:Web開発に必要な3つの要素

1. VS Code(エディタ)

ARM64ネイティブ版が公式提供されており、Microsoft Build 2022で投入されました。日常的な開発では高速に動作し、拡張機能も豊富に利用できます。

# Microsoft StoreからARM版VS Codeをインストール可能
# または公式サイトからARM64版をダウンロード

2. Node.js(ランタイム)

ARM64対応版が提供されており、v18.18.0以上の推奨版が利用可能です。Scoopなどのパッケージマネージャーを使うと、セットアップが簡単です。

# Scoopを使用したインストール例
scoop bucket add versions
scoop install versions/nodejs18@18.18.0
scoop install pnpm

npm、pnpm、yarnといったパッケージマネージャーも問題なく動作します。さらに、ネイティブモジュール(better-sqlite3など)も、ビルドツールがあれば対応可能です。

3. Vivaldiブラウザ

ARM64ネイティブ版が提供されており、Web検証・開発に最適です。Chrome系のブラウザとしての互換性も高く、DevToolsも通常通り使用できます。


Web開発環境の構築:実践的なセットアップ

ARM版Windowsでのセットアップは、Intel/AMD機とほぼ変わりません。以下の流れで進めます。

ステップ1:基本ツールのインストール

# Scoop(パッケージマネージャー)をインストール
iwr -useb get.scoop.sh | iex

# Node.jsとパッケージマネージャーをインストール
scoop bucket add versions
scoop install versions/nodejs18@18.18.0
scoop install pnpm

# バージョン確認
node --version
npm --version
pnpm --version

ステップ2:開発環境の準備

  • VS Code:Microsoft Storeからインストール(推奨)
  • Vivaldiブラウザ:公式サイトからARM64版をダウンロード
  • Gitscoop install gitでインストール

ステップ3:WSL2の活用(オプション)

ARM版WindowsでもWSL2(Windows Subsystem for Linux)は問題なく動作します。Ubuntu ARM64をインストールすることで、Linux環境での開発も可能です。

# WSL2でUbuntuをインストール
wsl --install Ubuntu

# WSL内でNode.js環境を構築
sudo apt update
sudo apt install nodejs npm

これにより、Windows側とLinux側の両方で開発環境を持つことができます。


中古でARM版Windowsノートを選ぶ際の注意点

開発用途に最適なノート選び

開発がメイン用途の場合、ノート型(クラムシェル型)が最適です。2-in-1タイプは柔軟性がありますが、キーボード品質や安定性の点でノート専用機に劣ります。

推奨候補1:Surface Laptop 7(第7世代)

  • CPU:Snapdragon X Plus / X Elite
  • メモリ:16GB推奨
  • ストレージ:512GB以上
  • 中古価格:108,780円~119,980円程度
  • 特徴:キーボード品質が高く、バッテリー持続性に優れている。中古流通量も多く、入手しやすい

推奨候補2:ThinkPad T14s Gen 6(Snapdragon搭載)

  • CPU:Snapdragon X Elite
  • メモリ:16GB~32GB
  • ストレージ:512GB~1TB
  • 中古価格:138,000円程度
  • 特徴:ThinkPad配列、トラックポイント搭載で、企業ノートになれた開発者に向く。32GBメモリ構成も存在

その他の選択肢

  • ASUS Vivobook S15:15インチで画面が広い。フルサイズキーボード寄り
  • HP OmniBook X 14:軽量・薄型で、モバイル開発向け

中古購入時の確認項目

確認項目重要度理由
バッテリー状態🔴 高設計容量比が80%以上を推奨。劣化が進むと買い替えコストが発生
保証期間🔴 高ビックカメラ・ソフマップなど量販店の保証付き(3ヶ月~)を優先
メモリ容量🔴 高開発用途なら16GB以上は必須。WSL多用なら32GB推奨
ストレージ容量🔴 高256GBはすぐ満杯。512GB以上を推奨
キーボード状態🟠 中実際に触れて打鍵感を確認。開発時間が長いため重要
画面解像度🟠 中WQXGA(2560×1600)希望なら事前に確認が必須

WQXGA解像度の問題

「WQXGA(2560×1600)が欲しい」という場合、現状のARM版Windowsノートではほぼ選択肢がありません。Surface Laptop 7などは2.5K前後(約2304×1536)か3K超の解像度が採用されており、純粋なWQXGAはレアです。

解像度を優先する場合は、Intel/AMD搭載の中古ノート(ThinkBook 13s ITLなど)を検討する方が現実的です。


ARM版Windowsの実力:MacBook Air代替として

バッテリー持続性の優位性

ARM版Windowsノートは、MacBook Airに匹敵するバッテリー持続性を実現しています。実際の開発環境では、以下のような動作時間が期待できます:

  • VS Code + Node.js サーバー実行:8~10時間
  • Webブラウザ複数タブ + 軽い編集:10~12時間
  • 待機状態:2~3週間の長時間持続

これは、x86系Windowsノートでは実現しにくい性能です。

互換性とAI機能

Snapdragon X Elite搭載機は、Copilot+ PC対応により、以下のAI機能が利用可能です:

  • Windows Copilot(AIアシスタント)
  • Copilot in Windows(統合AI機能)
  • 将来的なAI開発ツール対応の可能性

これらは、今後の開発環境において重要になる可能性があります。


実際に試す前に:互換性チェックリスト

ARM版Windowsの購入を検討する前に、以下を確認しておくことをお勧めします:

  • 使用予定の開発ツール:npm、Yarn、pnpm、Docker など
  • フレームワーク:React、Vue、Next.js、Express など
  • 企業・学校指定ソフト:ARMサポート状況を確認
  • 必要な周辺機器:ドライバ対応状況を確認
  • WSL2の必要性:Linux環境が必須か判断

これらが確認できれば、ARM版Windowsへの移行リスクはぐっと低くなります。


まとめ:ARM版Windowsは開発環境として「あり」か

結論:VSCode、Node.js、Vivaldiブラウザを主に使うWeb開発なら、ARM版Windowsは十分実用的です

メリット

  • 省電力で長時間バッテリー持続
  • 10万円台の中古で高性能ノートが手に入る
  • 主流の開発ツールがネイティブ対応
  • モバイル開発に最適な軽量設計

デメリット

  • WQXGA解像度の選択肢がほぼない
  • 古いx86専用ツールは動作保証がない
  • 企業・学校の非推奨環境では使えない可能性

開発環境の要件が明確で、互換性に問題がなければ、中古Surface Laptop 7やThinkPad T14s Gen6から始める価値は十分あります。特に、モバイルでのコーディングやリモート開発が多い場合、ARM版Windowsの優位性は顕著です。

ぜひ、この機会にARM版Windowsでの開発環境構築を検討してみてください。

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